So-net無料ブログ作成

『映画 聲の形』は音楽に注耳(?)せよ [タイトル:カ行]

スポンサードリンク




『聲の形』のDVD観ました。
泣いたー。

原作漫画の連載時、大きな感動の声とともに、「綺麗な障害者像」や「感動ポルノ」といった賛否両論を巻き起こした作品ですが、さすがは京都アニメーション、さすがは山田尚子監督、生々しさを残しつつ、短絡的な批判を避ける演出を施しています。
簡単にいえば、時系列の入れ替えなのですが、入れ替えればいいってもんじゃありません。
映画『聲の形』Blu-ray 通常版

映画『聲の形』Blu-ray 通常版

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • メディア: Blu-ray


熾烈ないじめの応酬が描かれる漫画の第一話は確かにインパクト満点ですが、それだけに嫌悪感も生じやすい。
そこで、その結果としての破滅について先に描き、それを後悔している気持ちをまず表現しているのです。

そしてその導入部に続いて流れるのが、THE WHOの名曲「マイ・ジェネレーション」
山田監督の前作品『けいおん!』をご覧になった方ならば、ああ、と思われるところでしょう。
ラストシーンで引用された『さらば青春の光』
本作品『聲の形』でもこのOP内で、思いっきりオマージュを捧げてます。

そこで思い出していただきたいのは、『さらば青春の光』で、ラストシーンで主人公の自殺がほのめかされた後、もう一度見直すと、冒頭に、思いとどまって夕日の中を力強く世界に戻ってくる主人公の姿が描かれていることです。
詳しくは物語の核心部分に触れるため書けませんが、この構造を主人公二人の挫折と復活に当てはめて表現していたりします。

いやー、これはスゴい、と思って同じように感じた人がいないかネットを探ってたら、こんなのに引っかかってしまいました。
http://realsound.jp/movie/2016/09/post-2826.html
『君の名は。』『聲の形』『この世界の片隅に』ーー 最新アニメ映画の音楽、その傾向と問題点について

これは、リアルサウンド映画部というけっこうしっかりした音楽の評論サイトの別冊映画版的なコーナーの記事なのですが、この記事書いた人、映画評論家なのに、『さらば青春の光』への言及がないどころか、
しかし、そんな監督の特定のミュージシャンへの思い入れが空回りしているとしか思えないのが、オープニングテーマとして流れるThe Who「My Generation」だ。ロックファンならば知らない人はいない、The Whoによる1964年のこの正真正銘のロック・クラシックが、作品の導入部を終えたあと、いきなりテレビのアニメ番組のような体裁のオープニングカットとともに流れ始めた時は、正直、面食らうしかなかった。聞くところによると山田監督はThe Whoの大ファンで、歌詞を拡大解釈すれば、まぁ、作品と近からず遠からず、でもやっぱり近からずといった内容なのだが、それ以前に、やはりここは作品全体の世界、特に牛尾と共に丁寧に構築した作品本編の音世界を、冒頭から台無しにしていたと言わざるをえない。

などと言っている。
全体を読めばわかるが、アニメ映画が隆盛してるが、まだまだ映画表現の勉強が足りないという結論への補強材料に使っているのである。

これを書いた人が感動できなかったのは、単にシーンの描写から下敷きにしている映画のことを感じ取れなかったからにすぎない。

aikoさんの主題歌についても
映画の主題歌という位置付けにあるaikoの「恋をしたのは」。aiko自身が原作『聲の形』の大ファンで「映画のそばにずっといられる歌をうたいたい」(公式プレスより)と語っているこの曲だが、そこはJポップ界屈指の強固な作家性を持つシンガー・ソングライター。本編の余韻とともにエンドロールに流れる主題歌としての役割は十全に果たしつつも、aikoのディスコグラフィーにおいては「通常運転」と言うしかない普遍的なラブソングで、それはCDのセールスへの影響においても同様。そもそも、この時代においてaikoほど安定したシングルのセールスを記録し続けている女性シンガーはいないわけで、作品にとってもaikoにとっても多少プラスになっているのは間違いのないところだろうが、目に見えてわかりやすい化学反応を生みにくいのがaikoのaikoたる所以だ。

などと言っている。
まさに自分で指摘していることこそが、aiko起用の理由だということがわかっていない。
どっしりと安定した通常運転のaikoの大きさが、この異形のアニメの結末を受け止めているのである。
この異形さは、ラース・フォン・トリアー監督の諸作から感じるものに似ている。
ありふれた日常の裏側に潜んでいる狂気のようなもの。

ましてやこの映画のメイン視聴層は感受性豊かな若者たちなのである。
なんでも映画芸術の枠組みにあてはめて考えればいいというものではない、と思う。


スポンサードリンク



nice!(5)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アニメ

nice! 5

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。